やってみせましょ海外で

カニはむいても、接待にはむかない

2025年10月20日 09:45

2025年10月20日


例年11月上旬がカニの解禁時期です。

ここで言う「カニ」はズワイガニのことで、山陰では松葉ガニ、越前(福井)では越前ガニ、と言われています。

2025-26シーズンの解禁時期はまだ公表されていませんが、

・立冬が2025年11月7日(金)であること

・昨年の立冬が11月7日(木)であり、山陰と越前でのズワイガニ解禁が11月6日であったこと

からすると、おそらく11月6日あたりだろうと想像します。

*11月6日(木)に解禁すれば、翌7日(金)から泊りの観光客が来訪する → 商売繁盛


しかしこのカニ料理、特に蒸しガニやカニ鍋は、気心知れた家族や仲間うちで楽しむのはいいのですが、接待の席ではいけません。何しろ会話が途絶えるのです。

「素晴らしいカニですね」

「どーぞ、どーぞ!」

「あちちちち!殻がとても熱いですね」

「火傷しないように気を付けて身を取り出してください」

「この道具でほじるのですね。片方が二股に割れたフォークみたいな形、逆側が小さいスプーンみたいなので」

「そうですそうです、どーぞどーぞ」


という会話を最初こそ交わしていますが、じきに双方とも無口になってカニ殻をむき始めます。カニ爪中の細かい肉を二股フォークでほじくり始めます。

無口が無言に進化するのも間もなくです。

「・・・」

「・・・・・」

「・・・・・・・」


無言の連鎖は終わりません。

これでは商談をすることはできません。

ややこしい価格値上げ依頼の話とかを持ち出せる状況ではありません。


ところが

『できれば接待相手との口数を最小限にしたい・・・』

商談もあります。

外国人と英語で食べる会食の場です。


"This is a Japanese food."

"Oh really? Looks great! What's this red one?"

"mmm......."

なぁんて場面が目に浮かびます。

こんな時こそカニの出番です。


"This is a Japanese traditional cuisine. Great crab pot."

"Oh, looks great! What's this?"

"Eating is believing. Enjoy!"

ってなことを言って、後は放っておくのがよいでしょう。

言わずとも John や Susan はすぐ無口になり、カニと1時間、いや2時間は格闘してくれます。

英語を使わず接待成功!と言いたいところですが、肝心の商談はさっぱりですね。


カニ接待は相手と目的を選ぶことです。


何はともあれ、カニの季節を心行くまで楽しみましょう。